リノベ建築工房 コラム

二世帯住宅への間取り変更リノベ|できること・できないこと

二世帯住宅への間取り変更リノベ|できること・できないこと

二世帯へのリノベーションは、単に「同居する」だけでなく、親世帯・子世帯が「無理なく暮らせる形」に整えるための手段です。

何も考えていないと購入してから「配管が通らない」「抜きたい壁が抜けない」「想定外の補強」できない理由も出てきます。最初に専門家が「できる・できない」と費用の上限幅を整理すると、購入判断がぶれません。

そこで今回のお役立ちコラムでは、親世帯・子世帯の暮らしに合わせ「大規模な間取り変更が可能かどうか」「水回り分離・構造制限・費用レンジ」を中心にお話しします。

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まず決めるのは「分離レベル」と水回りの置き方

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二世帯リノベでは、間取り図を描く前に「どこまで別々に暮らすか」を決めておけば判断も早くなります。

  • 完全分離:玄関も水回りも別、生活動線がほぼ交わらない
  • 部分分離:水回りは二つ、玄関や階段は共有
  • 同居型:水回りは共有し、寝室や収納の配置で距離を取る

水回り分離は「可能」になりやすいが、配管ルートで可否が分かれる

キッチン・浴室・トイレを二つにすること自体は、多くの住まいで“検討余地はある”が、成立条件は配管・構造で決まります。排水は基本的に勾配を取りながら流すものです。遠くへ移動するほど、床を上げなければなりません。

また、梁を避けて迂回させたり、床下に配管スペースを確保したりするといった工夫が必要です。鉄骨・RCの住まいは、床や梁の貫通・開口が構造や防火の条件に左右されやすく、配管計画が詰まりやすいことがあります。条件次第で対応幅が変わることを覚えておきましょう。

施工側の立場として「難しい」となる内容として、以下のような状況があります。「排水勾配が取れない」「通気管や排水立て管を通す場所がない」「梁や床組が邪魔で、大きく穴が開けられない」「電気容量や給湯能力が二世帯分に足りない」などです。

ただ、上下階で水回りを重ねる(1階の上に2階の洗面・トイレを置く)と配管を短くできるのです。

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玄関分離と生活音は、壁の枚数より「動線の交差」を減らすと効く

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玄関を完全に分けたり、階段を分けたりする案もありますが条件もあります。外壁側に新しい開口が必要になったり、敷地の出入りが二つ必要になったりなどです。大事なのは、分け方を「見た目」で決めないことと言えます。二世帯住宅の不満は、間取りよりも生活音や生活時間のズレが中心になりがちです。LDK同士が上下に重なると、足音が響きやすいデメリットもあります。水回りが寝室の裏に来ると、配管音で眠れない相談もよくあります。

対処として有効な設計案としては「水回りと寝室を直接隣り合わせにしない」「階段位置をずらして、動線を交差させない」「遮音材の前に床下地の強さと固定を整える」などです。完全分離が難しい住まいでも、共有部分を「玄関+ホール」だけにして、居室とLDKは別ルートにするだけで、暮らしやすさが変わります。

二世帯リノベが止まりやすいのは「配管・構造・手続き」を後回しにするから

二世帯住宅への間取り変更リノベーションが途中で止まりやすい理由は、突き詰めると三つに集約されます。それが「配管」「構造」「手続き」です。どれか一つでも条件を外すと、設計が成立しなくなったり、想定外の補強や申請が必要になったりして、計画全体が揺れます。

まず配管です。水回りを二つにする場合、設備が置けるかどうかよりも、排水勾配が取れるか、排水立て管に接続できるか、床下や梁を避けて通せるかといった成立条件が先にあります。これを無視して配置を決めると、床上げや大規模な迂回が必要になり、費用と制約が一気に増えます。

次に構造です。間仕切りに見える壁でも、耐力壁である場合は簡単に抜けません。抜くなら補強が前提となり、梁成の増加や柱位置の制約によって、当初描いていた間取りが成立しないこともあります。

三つ目が手続きです。二世帯化は間取り変更の規模が大きくなりやすく、工事内容や着工時期によっては建築確認手続きの対象になるケースがあります。これらは工事が始まってから分かると止められません。だからこそ、この三点を最初にまとめて整理することが、二世帯リノベでは重要になります。

購入前か購入後かで「選択肢の数」はここまで変わる

この「配管・構造・手続き」の整理をいつ行うかで、取れる選択肢の数は大きく変わります。
購入前であれば、上下階で水回りを重ねる案に切り替える、完全分離を部分分離に変更する、配管だけ先行して仕込む、あるいは別物件に切り替えるといった判断が可能です。

一方、購入後や設計確定後に制約が判明すると、選択肢はほぼ二つに絞られます。追加費用を出して成立させるか、間取りや分離レベルを妥協するかです。この対比が、二世帯リノベで後悔が出るかどうかの分かれ目になります。

施工側の立場から見ると、「買ってから考える」よりも「買う前に整理する」ほうが、結果的に希望を守れるケースが多いのが実情です。購入前相談は、制約を突きつけるためではなく、成立する選択肢を最大化するための作業と言えます。

二世帯リノベは「今の同居」だけでなく将来変化まで見据える

二世帯リノベでは、現在の暮らしやすさだけでなく、将来の変化も視野に入れる必要があります。親世帯が単世帯になる可能性、子世帯が独立する可能性、将来的に一部を賃貸として使う可能性などです。

ここを考えずに完全分離だけを優先すると、後から使いにくい住まいになることがあります。たとえば将来の単世帯化を見据えるなら、配管は二系統にしておきつつ、間仕切りで一体利用できる動線にしておく方法があります。賃貸や二世帯解消を想定するなら、玄関や水回りの位置だけでなく、メーターや分電盤の分け方まで含めて検討しておくと、住まいの価値を落としにくくなります。

二世帯リノベは「今の同居」を叶える工事であると同時に、「将来の使い方」を縛らない設計ができるかどうかが重要です。配管・構造・手続きを押さえたうえで、将来変化まで含めて整理して進めることが、長く後悔しない二世帯住宅につながります。

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費用レンジは「水回りの増設数」と「性能改修」で一気に広がる

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二世帯化の費用は、設備を二つにするほど上がります。さらに中古住宅では、断熱・耐震・給排水の更新を同時に入れるかどうかで総額が変わるのです。二世帯リフォームの費用は、内容により大きく幅がある前提で捉えてください。以下は費用に関する大まかな条件と目安です。

区分内容(例)参考レンジブレやすい条件(代表例)
設備増設単価キッチン増設約150〜300万円排水勾配が取れるか、換気ダクトの経路、電気容量・分電盤増設
設備増設単価トイレ増設約100万円〜排水立て管の位置、床上げの要否、換気・給水更新
設備増設単価浴室増設約300万円〜配管更新の範囲、土台・床組の補強、換気・断熱の追加
設備増設単価洗面コーナー増設約30万円〜給排水の距離、壁下地・防水、収納造作
設備増設単価玄関・階段の増設約200万円〜開口・外壁改修、敷地条件、既存構造との取り合い
全面改修レンジ1・2階の全面間取り変更(耐震・断熱も同時、設備2カ所を想定)約2000〜3500万円補強量(耐震)、断熱範囲、給排水更新、仮住まい・解体量

なお国土交通省の参考資料では、二世帯住宅化は800〜2500万円の目安も示されています(住まいの状況・工事内容で変動)

費用で失敗しないためには、最初から「上限幅」を共有することです。全面改修では仮住まい・引越し・家具保管などの諸費用も別枠で出る場合があります。実態調査でも、リフォームは「費用面の不安」が大きいテーマとされているのです。だからこそ、最初に「上限幅」を共有して進めるのが安全です。

相談段階で「想定外が出そうな場所」を先に決めて、見積もりを内訳付きで比較します。住まいるダイヤルには、見積書の不明点を相談できる仕組みがあります。契約前に、第三者目線を入れる方法として有効です。

国交省の住宅リフォーム事業者団体登録制度も、安心してリフォームできる環境整備を目的に制度化されています。

二世帯リノベの「できる・できない」を整理してから進める|相談はリノベ建築工房へ

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二世帯住宅への間取り変更リノベーションは、「一緒に住む」こと自体よりも、「無理なく暮らし続けられるか」を見極めることが重要です。水回りの分離や間取り変更は、多くの住まいで検討可能ですが、配管ルートや構造、法規・手続きの条件によっては、想定していた工事が止まるケースもあります。

購入後や設計が進んでから制約が判明すると、費用や計画が大きくブレてしまいます。だからこそ、最初の段階で「できること・難しいこと」「費用の上限幅」「代替案の有無」を整理することが、二世帯リノベ成功の近道です。

リノベ建築工房では、構造・配管・法規を踏まえた現実的な視点で、親世帯・子世帯それぞれの暮らし方に合った判断材料を整理します。完全分離・部分分離・同居型のどれが現実的か、費用がどこで膨らみやすいかを事前に把握することで、後悔のない選択ができます。二世帯住宅へのリノベを検討中の方は、ぜひリノベ建築工房にご相談ください。

お問い合わせフォームからのお問い合わせはもちろん、メールやお電話でのご相談、ショールームへのご来店にも対応しています。計画の初期段階から相談することで、安心して次の一歩を踏み出せます。