リノベ建築工房 コラム

ハーフリノベーションとは?フルとの違い・費用相場・向いている人をプロが整理

ハーフリノベーションとは?フルとの違い・費用相場・向いている人をプロが整理

住まい探しや住み替えのタイミングで「全面リノベーションは高いが古さは残したくない」と悩んでいる方も、いらっしゃるのではないでしょうか。そこで候補に上がるのが、ハーフリノベーション(以下ハーフ)です。

この時点で「ハーフリノベーション費用範囲」を言葉にできると、見積もりが「同条件」で比べられます。

たとえば工事を「①水回り更新」「②断熱・窓」「③内装の順に分け」て、今回は①と③だけ、次回に②を回すというように計画が立てやすくなります。これなら予算上限を守りつつ、後で「やり直し」を減らせます。家族の合意も取りやすいです。

ただし、失敗することもあります。原因は工事の出来よりも「どこまで直すか」の決め方です。水回りだけ新しくしても、配管や電気容量が古いままでは、数年後に追加工事が必要になる場合もあります。

施工側の立場では、ハーフは「半分だけ直す工事」ではないと言えるのです。「優先順位を付け、手戻りを減らす工事」です。

そこで今回のお役立ちコラムでは、フルとの違いや向いている人、将来拡張まで見据えた決め方までくわしくお話しします。

▼合わせて読みたい▼
リノベ建築工房|全面リノベーション&部分リフォーム:Lineup

ハーフリノベーションは「優先順位」で決まる

ハーフリノベーションは「優先順位」で決まる

ハーフかフルリノベーション(以下フル)かで迷うことになるポイントは、面積より「暮らしの不満の原因」をどこまで潰すかです。目安は「事故リスク→暮らしの不便→見た目」の順で、直す範囲を決めます。

フルリノベーションとの違いは「解体範囲」と「止められない工事」

フルとハーフの差は「見える所」ではありません。「見えない所」をどこまで触るのか?という点です。フルでは床・壁・天井を大きく解体します。一方ハーフは、住み続けやすさや費用を優先し、解体を絞ります。

ただし、ハーフでも「止められない工事」が混ざってきます。代表的なのが水回りです。キッチンや浴室を替えると、給排水・換気・電気が必ず動きます。表面だけ替えても、床下の配管が老朽化していれば、結局やり直しです。さらに漏水や腐食のような「事故」につながる部分は、後回しが高くつきます。

もう一つの違いは、生活への影響です。水回りは止水が必要になり、作業音やにおいも出ます。仮の台所や入浴をどうするかで「できる範囲」が現実的に決まるのです。浴室更新で土台や床組が傷んでいれば、補修が増えますし工期も延びます。内装中心なら短期で済むのです。そのため最初に「何日、住まいが使えない可能性はあるか」を押さえておくと、ハーフかフルかの判断がぶれません。

「半分だけ」で失敗しないための範囲の切り方

部屋単位より「系統」で区切るのがポイントです。系統とは、配管・換気・電気・断熱のように、住まい全体にまたがる仕組みを指します。たとえばリビングだけをきれいにしても、同じ系統の配線が古いままでは、コンセント不足や容量不足が残ります。逆に内装は最小でも、分電盤や幹線の余力、床下の点検性を確保しておけば将来の増設が楽になるのです。

施工側は以下の順番で範囲を決めることがあります。

  • 不具合や事故につながる所(漏水・腐食・シロアリ疑い)
  • 暮らしのストレスが大きい所(寒さ・段差・動線)
  • 見た目

重要なのは「境目」です。水回りを替えるなら、その周囲の床下地・防水・換気までを一つのセットで見ると、傷みの取り残しが減ります。

もう一段踏み込むなら、境目の外側に「次回のための余白」を残すといいでしょう。たとえば壁を仕上げ直す場合でも、配線の通り道が見える位置に点検口を設けます。そうすることで将来、増設をするときでも解体を最小限に抑えられます。境目を曖昧にすると、仕上がりは良くても劣化が残りかねません。

▼合わせて読みたい▼
リノベ建築工房|増築リノベーション

費用とできる範囲は「足し算」より「順番」で決まる

費用とできる範囲は「足し算」より「順番」で決まる

費用は項目を足すだけでは決まりません。先に「どれを先に直すか」の順番を決めると、ハーフでも予算の上限幅が読めます。図面や間取り図に、残す所と触る所を線で分けておくと話が早いです。優先順位も一言で残します。

参考レンジは「公的資料の単価」を部品として読む

ハーフの費用は「パック相場」より「部品の組み合わせ」で考えるほうが無難です。国土交通省の資料には、キッチン交換や浴室交換、床の張替えなどの価格帯の事例が示されています。これを部品という観点で見ると、水回りを一つ替えるだけでも数十万円単位で動くことが分かります。

注意したいのは、金額を断定しないことです。下地の傷み、配管更新の要否、搬入経路などで上下します。そのため見積もりは「一式」ではなく、内訳で比較できる形にしてもらうのが基本です。以下は参考レンジ表です。(条件で変動)

工事項目(例)参考レンジ(公的資料の例)範囲の考え方
システムキッチン交換40〜80万円配管・換気・電気が動く
システムバス交換60〜150万円土台・床の傷みで増減
トイレ交換30〜50万円給排水位置で難易度が変わる
畳→フローリング15〜60万円下地補修で増減
内窓の設置6〜12万円寒さ対策の「効く所」から

将来拡張まで見据えた計画と、向き不向きの見極め方

将来の追加工事を想定し「壊さないための仕込み」を先に入れるといいでしょう。よくある失敗は、せっかくきれいにした所を次回でまた壊してしまうことです。

回避するには、範囲外でも「配線・配管の通り道(次回の解体を減らす)」「点検口などの点検性(漏水や劣化の早期発見)」「電気容量や給湯能力の余力(設備を増やせる前提づくり)」を押さえておきます。

向いているのは、優先順位がはっきりしている人です。「寒さを減らしたい」「水回りだけ先に更新したい」「一定期間は最低限で良い」と割り切れる住まいほど、ハーフの効果が出ます。

逆に向かないのは、間取りを大きく変えたいのに、構造や設備を触らずに済ませたい人です。途中で実質フルに近づくと、設計や手続きが追加されることもあります。

2階建て木造戸建などで、主要構造部の過半を改修する大規模なリフォームは、工事着手時期や内容によって建築確認手続きの対象になります。迷うなら、今回と次回の範囲を分けた上で、次回が大規模になりそうか、建築士などに早めに確認しておくといいでしょう。

▼合わせて読みたい▼
リノベ建築工房|リノベーション施工事例

FAQ|ハーフリノベーションでよくある質問

FAQ|ハーフリノベーションでよくある質問

ハーフリノベーションは、工事範囲や進め方の自由度が高い分、「どこまで直すべきか」「将来どんな制約が出るのか」が分かりにくいと感じる方も少なくありません。ここでは、相談現場で特に多い疑問を中心に、判断のヒントになるポイントをQ&A形式で整理しました。

Q1.ハーフリノベーションと部分リフォームの違いは何ですか?

A.部分リフォームは「壊れた所・古い所を単発で直す工事」を指すことが多いのに対し、ハーフリノベーションは将来の工事を見据えて、優先順位を付けて直す計画的な改修を意味します。今回触らない範囲についても、配管や配線の余力、点検性を確保する点が大きな違いです。

Q2.ハーフリノベーションでも建築確認が必要になることはありますか?

A.工事内容や規模、建物条件によっては、建築確認手続きの対象になるケースがあります。特に主要構造部に大きく手を加える場合は注意が必要です。該当するかどうかは、建築士や所管行政での確認を前提に判断するのが安全です。

Q3.将来フルリノベーションにするとき、やり直しが出やすいのはどこですか?

A.多いのは壁・床の仕上げ、点検口が無い部分、電気容量不足です。最初のハーフ段階で、配線・配管の通り道や点検口、分電盤や給湯能力の余力を確保しておくと、次回工事の解体範囲を最小限に抑えられます。

フルかハーフかで迷ったら|将来まで無駄にしない選択はリノベ建築工房の事前相談から

フルかハーフかで迷ったら|将来まで無駄にしない選択はリノベ建築工房の事前相談から

ハーフリノベーションは「費用を抑えるための簡易工事」ではなく、暮らしの優先順位を整理し、将来の拡張まで見据えて段階的に住まいを整える選択肢です。

フルリノベーションとの違いは、解体範囲の大小ではなく「今、何を直し、何を残すか」を意図的に決められる点にあります。寒さや水回りの不便など、生活の質に直結する部分を先に改善し、構造や設備の系統は将来工事を前提に“壊さない仕込み”を入れておくことで、やり直しのない計画が立てられます。

一方で、優先順位が曖昧なまま進めると、数年後に配管や電気容量の問題が表面化し、結果的に二度手間になることもあります。だからこそ、ハーフが向いているかどうか、今回と次回の範囲をどう分けるかを最初に整理することが欠かせません。

リノベ建築工房では、費用の上限幅や将来の拡張可能性まで含めて現実的に整理し、住まい手の判断がぶれないようサポートしています。

ハーフリノベーションを検討中の方は、ぜひリノベ建築工房にご相談ください。お問い合わせフォームからのお問い合わせはもちろん、メールや電話でのご相談、ショールームへの来店にも対応しています。

今の予算と将来の暮らし、どちらも無駄にしないための第一歩を、ここから始めてみてください。