リノベの現場で
- 「家事の移動が多すぎて疲れる」
- 「洗濯物が片づかない」
などの声を聞きます。共働きが当たり前になった今、家事は“空いた時間でやるもの”ではなく、“効率的に回すべき仕事”へと変化しています。
家事の中でも、洗濯が重労働だと感じる方もいるのではないでしょうか。その場合「ランドリールーム」をうまく使えば洗濯の手間が減ります。とはいっても、どうすれば良いかわからない方もいるはずです。
今回のお役立ちブログでは、ランドリールームのリノベーションに対する考え方や実例など活用方法をお話しします。
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リノベ建築工房|はじめてのリノベーションガイド
洗濯の時短は「洗う・干す・たたむ・しまう」を最短距離にすることが大切!
私は、お客様に「どのような順番で洗濯していますか」と聞くことが大切だと思っています。なぜなら洗濯の動線が見えるからです。ありがちなパターンとして「脱衣所で洗って、廊下を抜けてベランダに干し、リビングでたたんで各部屋に配る」という流れです。2階建て住宅の場合、一連の流れにおいて20〜30m歩いているケースも少なくありません。
しかし「脱衣室→ランドリールーム→ファミリークローゼット」の動線を短くすれば、移動距離を短縮することが可能です。結果、洗濯の負担が減り、朝の支度時間にも余裕が生まれます。
自然の力を活かした「干す設計」
現場で行くことの多い知多半島では夏場は湿気、冬は北風の影響を受けやすいため季節ごとの風の流れも踏まえて設計することが大切です。中でも梅雨は湿気が溜まりやすく、洗濯物が乾きにくいことも珍しくありません。
私は「窓の向き・風の抜け方・陽射しの角度」まで、計算して動線を設計することが大事だと思っています。
たとえば、南側に高窓を設け北側に換気窓を設置すれば、自然と風の流れができます。さらに、天井吊りバーやワイヤー式室内干しを組み合わせると、雨の日でも「除湿機+換気」で乾燥時間の短縮が可能です。
造作収納で“しまう動線”を最短にする!活用するコツは?

部屋や間取りに合わせて収納器具を設置する「造作収納」を活用すれば、洗濯時の移動距離を短くできる可能性があります。ここでは、造作収納を活用するコツを見てみましょう。
造作収納は生活リズムと持ち物の量が鍵
仮に、棚やカウンターを既製品で揃えると数センチのスキマができてしまい、ホコリが溜まることも珍しくありません。私は現地で「生活のリズム」と「持ち物の量」を考慮することで、造作収納の効果が高まると考えています。
たとえば、
- 家族の人数分のタオルが1人10枚なら幅60cmの引き出しを3段用意する
- アイロン掛けが多いご家庭なら、折りたたみ式カウンターを設け、使わない場合は壁に格納する
などの工夫をすると、片づけやすい空間が生まれます。
ほかに造作家具の素材も大切です。たとえば湿気の多い空間では、耐水合板やメラミン化粧板にすると劣化しにくい状態をつくれます。また、自然の雰囲気を味わいたい場合は、木のぬくもりを残しながらも、塗装やコーティングで耐久性を確保します。
収納の高さを“人に合わせる”
もう一つ大切なのは、高さの設計です。奥様やご主人に立っていただき「無理なく作業できる」と感じる位置を現場担当と一緒に決めることが重要です。担当者とやり取りすることで、理想の暮らしが定まってきます。設計図だけではなく体感も大事にした方が良いでしょう。
知多半島の家で叶える“家事ラク空間”を実現!3パターン紹介!

ランドリールームのリフォームといっても、さまざまです。どのようにリフォームすれば良いかイメージしていただくため、3パターンお話しします。
パターン1.共働き3人家族の回遊型ランドリー
「脱衣室が狭く、洗濯物をリビングで干すしかない」とお悩みの方には「3,4帖のランドリールーム+造作収納カウンター」の新設をおすすめします。
壁面にはタオル専用の浅型引き出しと、家族別に分けた収納ボックスを造作し、天井には昇降式の物干しバーを2本設置することで、使わない場合は隠せるようになります。朝の家事を短くしたり、家の中をスッキリさせたりしたい方にピッタリです。
パターン2.インテリア性を重視したモルタル調ランドリー
「生活感を隠しながらも、デザイン性のある空間にしたい」場合は、壁一面に可動棚と引き出し付きカウンターを造作し、収納家具を置かずに済むリフォームが良いかもしれません。グレーのモルタル調で統一することで、カフェのような雰囲気の中で家事ができます。
また、24時間換気をすれば部屋干ししてもニオイが残りにくくなるため、外干ししない方にもおすすめです。
パターン3.2階ランドリー+ファミリークローゼットの回遊動線
「毎日の洗濯を、できるだけ“移動なし”で完結させたい」場合は、2階にランドリールームを新設し、隣接するファミリークローゼットと扉なしで直結させると良いかもしれません。「洗濯機→室内干しバー→収納棚→クローゼット」の流れを一直線に設計すると移動距離が減ります。
天井には電動昇降式の物干しを採用し、乾燥後はハンガーごとクローゼットへ移動させる状態ができれば、家事の手間が減ります。また、床材には水に強いフロアタイルを使用すると見た目が美しく仕上がるでしょう。1階と2階を往復したくない方におすすめです。
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リノベ建築工房|リノベーション施工事例
ランドリールームをリノベする際の注意点!失敗しないためのポイントとは?

ランドリールームをリノベする際は、注意点があります。後悔しないためにも、何に気を付けると良いか確認しましょう。
①給排水・換気系統を確認する
ランドリールームの新設・移設で重要なのが、排水管にわずかな傾きをつけて水を流れやすくする排水勾配の確保です。足りないと逆流や臭気の原因になります。築年数の経った住宅では、既存の配管が劣化・錆び・変形していることもあるため、内視鏡カメラや床下点検で状態を確認しましょう。
なお、湿気が多い場合は「換気扇+自然通風」を組み合わせた設計が理想です。外気導入用のガラリや高窓を設けて、風が抜ける経路を確保しましょう。また、天井や壁内の断熱材の欠損があると、温度差で内部結露が発生します。断熱リフォームを同時に行うことで、湿気やカビの発生を大幅に抑えられるでしょう。
②造作棚・カウンターの素材選び
ランドリールームでは、無垢材やMDF材を使用すると反りやカビの原因になります。おすすめは「メラミン化粧板・耐水合板」です。水滴や蒸気にも強く、日常の水拭きでお手入れが完結します。
さらに、造作棚を設ける場合は合板下地による補強が必要です。中でもタオルや洗剤など重たいものを置く部分は、耐荷重を考えて設計しなくてはいけません。また、金具やレールはステンレスやスチール亜鉛メッキなどの防錆仕様を選ぶと、湿気による腐食を防げます。
③動線とスペース配分を現場でシミュレーション
図面だけで判断せず、実際にその場で動いてみることが大切です。段ボールで仮レイアウトを作るだけでも、動線の違和感を事前に防げます。
- 洗濯機を開ける
- アイロンを出す
- タオルを取る
などの動きを再現して大丈夫か確認しましょう。
動線設計のほかに、照明の仕様も大切です。たとえば、作業カウンター上にスポット照明を設けると、手元が見えやすくなりアイロン掛けが楽です。また、床や壁は清潔感のある明るい色で統一し、カゴや収納の色味を合わせると、整っている雰囲気が生まれます。
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リノベ建築工房|住みながらリノベーション
FAQ|ランドリールームリノベーションについてよくある質問

ランドリールームのリノベーションは、給排水・換気・動線・収納の4つが深く関わるため、実際の計画段階で不安や疑問が出やすい部分です。ここでは、リノベ建築工房の現場相談で特に多い質問をまとめました。工事前のチェックポイントとして活用していただければ幸いです。
Q.ランドリールームは何帖あれば作れますか?
A.最低でも2帖あれば「洗う・干す・たたむ」の基本動作は可能です。造作収納やファミリークローゼット直結型にする場合は3〜4帖が理想です。現在の間取りを見ながら最適なサイズをご提案します。
Q.部屋干し中心でも本当に乾きますか?
A.風の抜け方・窓の向き・換気計画・除湿機の併用で確実に乾かせます。知多半島は湿気が多いため、24時間換気+高窓+天井吊りバーの組み合わせが最も効果的です。
Q.造作収納は既製品より高くなりますか?
A.初期費用は既製品より上がる場合がありますが、“家事動線に合わせたサイズ設計”と“スキマが生まれない設置”により、長期的には使い勝手と収納量が大きく改善します。
Q.1階から2階へのランドリー移設は可能ですか?
A.給排水ルートが取れるかどうかで可否が決まります。排水勾配が確保できれば2階新設は問題ありません。床下状況を点検したうえで判断します。
Q.ランドリールームとファミリークローゼットは隣接させた方が良い?
A.「洗う→干す→しまう」を一直線にできるため、家事ラク化を最も実感しやすい組み合わせです。扉無しの直結型は特に人気が高いプランです。
家事ラクを叶えるならリノベ建築工房へ。ランドリールームで“洗濯革命”を実現しませんか?

ランドリールームのリノベーションは、単に室内干しスペースを作るだけでなく「洗う・干す・たたむ・しまう」の一連の家事を最短化し、毎日の負担を大幅に減らせるのが最大のメリットです。とくに知多半島エリアは湿気・北風・季節風など気候の影響を受けやすく、地域特性を踏まえた換気計画や造作収納の設計が重要です。
リノベ建築工房では、現地での生活動線や持ち物量を丁寧にヒアリングし、その家の暮らし方に合わせたオーダー設計を行っています。どれだけ忙しくても「片づく・乾く・回る」空間が整えば、毎日の暮らしの質は大きく変わります。
フォームからのご相談、メールでのお問い合わせ、お電話でのご相談、ショールームへの来店も歓迎しております。ランドリールームを整えたい、動線を改善したい、造作収納を作りたいという方は、ぜひリノベ建築工房にお任せください。